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日系人と海外移住資料館 第3章

これからのヨコハマの役割


【 「ぶらじる丸」横浜港出港風景 (C)商船三井客船(株) 】

100年以上にわたる日本の移民の歴史を紐解くと、世界情勢に翻弄されながらも力強く生き抜いてきた人々の顔が見えると同時に、横浜という地の果たした役割の大きさが感じられる。現在、海外在住の日系人は260万人以上。また、来日している日系人は、その家族も合わせて40万人近くいるという。


【 外務省横浜移住あっせん所 】

海外移住資料館の運営母体でもあるJICA横浜では、前身の海外移住センターで移住者の教育・移住斡旋を行なってきた経緯から、現在にいたるまでさまざまな日系人支援を続けている。しかし、日系人支援とはどのようなものなのだろうか。海外移住資料館業務室担当の西脇さん(以下同)は次のように語る。

「もともと海外移住センターでは、移住者への渡航手続き、現地事情や語学の講習など、海外への送り出しに関するケアを行なってきました。移住希望者が少なくなってからこういった業務はなくなりましたが、国の政策で海外へ移住した人たちに対して、国が支援を続けるのは当然のことだったのです。」

当初「送り出し」と同時に生活安定のための支援が続けられ、現在では子孫である日系人を通じた技術協力へと変化しているという。具体的には、移住者である一世の高齢者福祉対策や、二世・三世への人材育成などだ。特に、海外で生まれ海外で育った日系二世・三世たちに対する、日本文化継承は重要な支援のひとつ。日本語教師を養成したり、海外の日本語学校の生徒に日本での研修を受講させたりと、日本語を含む"日系人としてのアイデンティティ"を継承するための企画が実施されている。

また、中南米の日系人を対象とした日系研修員受け入れ事業は、「継承日本語教育教師」「幼児教育」「農村婦人リーダー」など集団コースのほか、医師・技術者・研究者などさまざまな分野の人材を受け入れる個別コースがある。


【 7月に来日した日系研修員「日系農協中堅実務者」コース他のみなさん 】

JICAでは毎年120名ほどの日系研修員を受け入れており、来日時には全員がJICA横浜でオリエンテーションを受け、ここ海外移住資料館を訪れる。そのうち約6割を直接受け入れているのが、JICA横浜。みなとみらいで日本人としてのアイデンティティを一層強くした日系人が世界に羽ばたいている。


【 JICA横浜 外観 】

1990年の入管法改正により、かつて日本から移住した人たちの子孫である日系二世、三世たちが日本にやってきて、就労するようになった。その数は、ピーク時で40万人近くに上ったという。そんな中でやってきた、世界金融危機に端を発する製造業を中心とした不況は、彼らの生活に深刻な打撃を与えている。まっ先に職を失ったのは、派遣として働いていた外国人労働者だった。こうした状況の中、JICAは国内の日系人への支援も始めたという。

「在日日系人への支援を行政側が行なうことも大切ですが、市民レベルで偏見をなくしていくことも重要です。特に、国際都市と言われる横浜では、そういったものはなくしたいですよね。」


【 海外移住資料館 2階エントランス 】

【 海外移住の歴史コーナー 】



【 アマゾン地域の胡椒栽培展示。胡椒の木と選別機 】

【 「大地に挑む」コーナー。様々な農機具 】


移民・日系人に関する正しい知識を持つためにも、海外移住資料館から発信される情報には耳を傾けたい。

まず私たちにできるのは、"知る"ことなのだから。


(おわり)

画像:商船三井客船(株)提供

(語り手)

西脇祐平(にしわき・ゆうへい)
JICA横浜 海外移住資料館 業務室担当者
http://www.jomm.jp

西脇祐平さんのアルバム

(執筆者) 河村仁美

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